チーム情報
プロフィール
1883年に創設された伝統球団で、創設時の名称はクエーカーズ。創設から一度もフィラデルフィアから本拠地を動かしていない。1915年に初のリーグ優勝を果たすも、1950年まで2度目のリーグ優勝から遠ざかるなど、低迷期が続いた。
1976年からスティーブ・カールトンとマイク・シュミットが投打の軸となり、地区3連覇。1979年にその後のメジャー最多安打記録保持者となるピート・ローズがレッズから移籍し、1980年には創設98年目にして悲願の世界一に輝いた。1983年と、カート・シリングやレニー・ダイクストラらが活躍した1993年もリーグ優勝を果たすが、世界一には届かず。2003年以降は安定した成績を残しながらもなかなかブレーブスの壁を破れなかった。
日本でもプレーしたチャーリー・マニエル監督就任3年目の2007年に、チェース・アットリーとジミー・ロリンズのメジャー屈指の二遊間、主砲ライアン・ハワード、強打のアーロン・ロワンド、エース左腕コール・ハメルズ、技巧派左腕ジェイミー・モイヤーらが中心となって14年ぶりに地区制覇。一方で、この年に全米プロスポーツ史上初となる通算1万敗を記録した。2008年には高い総合力で28年ぶりの世界一に輝き、ユーティリティーな働きを見せた田口壮も美酒に酔いしれた。
2009年にもシーズン途中のトレードで左腕クリフ・リーを獲得し、安定した戦いぶりでリーグを制したが、ワールドシリーズではヤンキースに敗退。2010年にはロイ・ハラデー、シーズン途中で獲得したロイ・オズワルトらの強力先発陣で地区を制したが、ジャイアンツに敗れ、リーグ3連覇を逃した。2011年も前評判通りの強さで地区5連覇を果たしたが、カージナルスに地区シリーズで敗れた。
2012年はハワードがアキレスけん手術で出遅れたほか、アットリーも故障の影響で不振に陥り、6年ぶりにプレーオフ進出を逃した。2013年には成績不振によりシーズン途中でマニエル監督が解任され、ハラデーもシーズン限りで引退。その後も低迷は続き、長く主力を務めたロリンズ、アットリー、ハメルズらを放出して再建期に入った。
2018年にかつて巨人でもプレーしたゲーブ・キャプラー監督が就任。2015年のサイ・ヤング右腕ジェーク・アリエッタが加入したほか、エースのアーロン・ノラがサイ・ヤング賞投票で3位に入り、メジャー2年目のリース・ホスキンスが34本塁打を放つなど、浮上のきっかけをつかんだ。2018年オフにはオーナーの大型補強の号令のもと、オールスター遊撃手ジーン・セグラ、2013年のナ・リーグMVP外野手アンドルー・マカチェン、強肩強打俊足の捕手J.T.リアルミュートを獲得。さらにナショナルズからFAとなっていた外野手ブライス・ハーパーと当時のMLB史上最高額となる13年3億3000万ドルで契約。2019年は8年ぶりのプレーオフ進出を狙ったが、波に乗れず地区4位で終わった。
2019年オフも大型補強策を続け、メッツからFAの右腕ザック・ウィーラー、ヤンキースからFAの遊撃手ディディ・グレゴリアスを獲得。2020年はかつてヤンキースを指揮したジョー・ジラルディ新監督の下で、名門復活を期す。
スタジアム紹介
1971年からNFLフィラデルフィア・イーグルスと兼用で使用してきたベテランズ・スタジアムが2003年に閉鎖され、2004年に旧本拠地の隣に野球専用球場として開場。フィラデルフィア空港とフィラデルフィアのダウンタウンの間に位置し、内野席上部からフィラデルフィアのビル群が一望できる。左中間と右中間の膨らみがなく、本塁打が出やすい球場。右中間スタンドにはリバティ・ベルと呼ばれる鐘があり、フィリーズの選手が本塁打を打つとその音色が響く。電光掲示板はフィリーズが陣取る一塁側ベンチ真正面のレフトスタンド上段に設置されている。通路や入場口には、永久欠番となったリッチー・アシュバーン、ロビン・ロバーツ、マイク・シュミット、スティーブ・カールトンの銅像が設置されており、センター後方の通路「アシュバーン・アレー」には球団殿堂入りした選手のレリーフが飾られている。ロードアイランド州に本拠を置く金融大手シチズンズ・ファイナンシャル・グループが25年間の命名権を取得。