チーム情報
プロフィール
1993年の球団拡張で誕生した新興球団で、創設時の名称はフロリダ・マーリンズ。創設から4年間は負け越しが続くも、ジム・リーランド監督が就任した1997年にベテラン右腕ケビン・ブラウンや巧打者モイセス・アルーらの活躍でワイルドカードに滑り込み、初のプレーオフ進出。そしてジャイアンツ、ブレーブスを破ってリーグ優勝を果たすと、ワールドシリーズではインディアンスを撃破。創設5年目で世界一に到達した。
だが、その直後からコスト削減の一環としてゲーリー・シェフィールドら高年俸の主力を惜しげもなく放出。1998年から一転して2年連続最下位に沈み、リーランド監督も1998年限りでチームを去った。2002年まで負け越しのシーズンが続くも、2003年にはデレク・リーやマイク・ローウェルらの打撃陣と、若手左腕ドントレル・ウィリスらの活躍でワイルドカードからプレーオフへ。するとリーグ優勝からヤンキースを破って2度目の世界一を達成。つまり2度の世界一という実績を持ちながら地区優勝経験がないという経歴を持つ。
その後はプレーオフから遠ざかり、2005年オフには、カルロス・デルガド、ジョシュ・ベケットらの主力を放出。2006年にはジョー・ジラルディ監督が就任するも、オーナーとの対立からわずか1年でチームを去った。2007年オフには主力に成長していたミゲル・カブレラやウィリスを放出するなど、定期的に大規模な再建を繰り返した。
2012年にはマイアミ・マーリンズに改称し、新球場に移転。2016年にはシーズン終盤に、16勝を挙げていたエースのホセ・フェルナンデスがボート事故により24歳という若さで亡くなるという悲劇に見舞われた。
2017年にはジャンカルロ・スタントン、クリスチャン・イエリチ、マルセル・オズナがメジャー屈指と称される外野陣を形成。特にスタントンは本塁打と打点の2冠に輝いたが、オフにはまたも恒例の年俸削減を目的としたファイアセールを敢行。シーズン終盤に球団を買収した元ヤンキースのデレク・ジーター氏らによるオーナーグループが、2015年からチームに在籍し若手の指南役ともなっていたイチローを放出した。
再建期1年目の2018年はリーグワーストの98敗。チーム本塁打数とチーム打点数は両リーグワースト、チーム防御率もリーグワーストだった。2019年はカーティス・グランダーソンやニール・ウォーカーといったベテランで打線を補強したものの、ともに往年の力は発揮できず、チームもリーグワーストの105敗を喫して2年連続の地区最下位。やはりチーム本塁打数は両リーグワースト、チーム打点数もリーグワーストだった。
2020年はチーム最多の197回1/3を投げたサンディ・アルカンタラ、チーム唯一の2桁勝利をマークしたケーレブ・スミス、ハワイ出身で日系3世のジョーダン・ヤマモトらが先発陣の中心で、打線は新加入組のジョナサン・ビラーとコリー・ディカーソン、長打力のあるブライアン・アンダーソンらの爆発に期待する。指揮を執るのは就任5年目のドン・マッティングリー監督。メジャー30球団の中で最南に本拠地を構える。
スタジアム紹介
マイアミのダウンタウンから離れ、NFLマイアミ・ドルフィンズと兼用だったサンライフ・スタジアム(現ハードロック・スタジアム)に代わって、2012年に開場した開閉式屋根付きの野球専用球場。マイアミデード郡とマイアミ市が建設費の大部分を負担したため、球団名もフロリダ・マーリンズからマイアミ・マーリンズに改称された。マイアミのダウンタウン近くのマイアミ・オレンジ・ボウル跡地に立地し、フロリダの青空に映える白い外観が特徴。空調設備も完備され、観戦には快適な球場だが、チームが再建を繰り返していることもあり、旧本拠地時代と同様、観客動員には苦しんでいる。バックネット下には熱帯魚が泳ぐ巨大水槽があり、テレビでもたびたび映し出されている。センターと右中間が深く、本塁打が出にくい球場であったことから、複数回にわたってフェンスを前に出す工事が行われ、さらに2020年からは人工芝化されることになった。2017年にはオールスター戦が、2013年と2017年にはWBCが、それぞれ開催された。