チーム情報
プロフィール
ア・リーグ創設の1901年に誕生した名門で、本拠地を一度もボストンから移したことがない。誕生時の球団名はアメリカンズ。
1903年の第1回を含めて1918年までワールドシリーズを5度制覇したが、その後、ベーブ・ルースをヤンキースに放出してからはなかなか世界一に手が届かず、ルースの愛称から「バンビーノの呪い」と呼ばれるようになった。2004年に就任1年目のテリー・フランコーナ監督の下でワールドシリーズを制覇するまで、呪いは実に86年も続いた。
最後の4割打者テッド・ウィリアムズ、三冠王カール・ヤストレムスキー、ロケットの異名を取った剛球投手ロジャー・クレメンス、サイ・ヤング賞3度の名投手ペドロ・マルティネス、3度の本塁打王に輝いたジム・ライス、名遊撃手ノマー・ガルシアパーラら、歴史に名を残す選手も多数在籍。また、日本人選手ともゆかりが深く、2001年には野茂英雄が在籍し、2007年シーズン前にはポスティング制度で松坂大輔を獲得した(入札額は5111万1111ドル11セント)。
2007年は松坂がシーズンを通して先発ローテーションを守り、ケビン・ユーキリスの勝負強い打撃や新人王に輝いたダスティン・ペドロイアの攻守などが光り、3年ぶりにワールドシリーズを制覇。しかし、2012年はこの年に就任したボビー・バレンタイン監督と選手が対立するなど内部崩壊。松坂をはじめ主力選手が次々と放出され、バレンタイン監督もわずか1年で解任された。
ジョン・ファレル監督が就任した2013年は一転して、ジョン・レスターやクレイ・バックホルツらの投手陣とジャコビー・エルズベリーやマイク・ナポリらの打線が奮起してリーグ優勝。上原浩治がポストシーズンで7セーブを挙げる活躍もあって、6年ぶりに世界一に立った。2014年からは2年連続で地区最下位に沈むも、2016年はシーズン前の大型補強が実って地区優勝。ビッグ・パピの愛称で親しまれ、長く主軸を務めたデービッド・オルティスがこの年限りで引退した。
アレックス・コーラ監督が就任した2018年はクリス・セール、デービッド・プライスの両左腕、クローザーのクレイグ・キンブレルらの投手力と、J.D.マルティネス、ザンダー・ボガーツらを中心とした強力打線がかみ合い、シーズン108勝という圧倒的強さで地区3連覇。その勢いのまま5年ぶりにワールドシリーズを制覇し、打率.346、32本塁打、80打点、30盗塁という成績を残したムーキー・ベッツが首位打者とリーグMVPに輝いた。
世界一連覇が期待された2019年は、6月に史上初のヨーロッパ開催となる公式戦でヤンキースと戦い、2試合で12万人近くの大観衆を集めるなど話題を呼んだ。だが、年間を通して宿敵ヤンキースに5勝14敗と大きく負け越し。地区3位に終わり、地区4連覇を逃した。長年にわたってチームを支えてきたペドロイアも2年連続で故障に苦しんだ。
2020年はセール、プライス、エデュアルド・ロドリゲス、クローザーのブランドン・ワークマンらの投手陣と、マルティネス、ベッツ、ボガーツ、ラファエル・ディバースらの打線で巻き返しを図るはずだったが、2017年のアストロズのサイン盗み疑惑に関して、当時アストロズのベンチコーチだったコーラ監督が大きく関与していたとされ、1月に解任。さらに2月にトレードでベッツとプライスを放出。ベンチコーチから昇格したロン・レネキー新監督の下、激震の中でスタートを切ることになった。
スタジアム紹介
1912年に開場した「ファンにもっとも愛されている球場」で、現存するメジャーの本拠地ではもっとも古い。ボストンのダウンタウンに位置するため拡張が難しく、老朽化、収容能力などの問題から球団は何度となく新球場建設を計画するも、そのたびにファンの猛烈な反対を受けて断念。改修工事を繰り返しながら共存する道を選んでいる。球場名物は1934年に完成した、高さ約11メートルのレフトフェンス「グリーンモンスター」で、右打者の本塁打を阻む壁となっている。また、ライト側はフェンスが低く、観客席がファウルゾーンを侵食するようにせり出ているため、ライトのファウルゾーンへ飛び込むエンタイトル二塁打も多い。チケットの入手が難しい球場であることでも知られ、2003年から2013年まで794試合連続札止めを記録した。ここで開催された1961年のオールスター戦は、雨天コールドによりオールスター戦史上初の引き分けとなった。