チーム情報
プロフィール
1969年の球団拡張でシアトル・パイロッツとして誕生し、当初はア・リーグに所属していた。しかし、わずか1年で経営に行き詰まり、のちにMLBコミッショナーとなるバド・セリグ氏が球団を買収してビールで有名なミルウォーキーへ移転し、醸造者を意味するブリュワーズに改称した。
ストライキによって前後期制となった1981年に後期優勝を果たし、1982年にはロビン・ヨーント、ポール・モリター、セシル・クーパー、ゴーマン・トーマスらの強力打線で初のリーグ優勝を果たした。1985年には江夏豊がキャンプに参加したが、メジャー入りは果たせず、そのままユニホームを脱いだ。
球団拡張に伴って1998年からナ・リーグに編入。2001年には新球場がオープンするも低迷が続き、2002年から3年連続で地区最下位に沈んだ。ようやく低迷ムードから脱したのは2008年。プリンス・フィルダーとライアン・ブラウンの大砲コンビ、シーズン途中で獲得した左腕C.C.サバシアらの活躍により、ワイルドカードでプレーオフに進出した。
ザック・グリンキー、ショーン・マーカムら先発陣を補強して迎えた2011年は、ブラウンがリーグMVPに輝く活躍などでナ・リーグ編入後初となる地区優勝。しかし、リーグ優勝決定シリーズでカージナルスに敗れ、史上初の両リーグからのワールドシリーズ進出はならず、オフにはフィルダーを放出した。
青木宣親が加入した2012年は、ブラウンが本塁打王、さらに2年連続のトリプルスリーを達成するも地区3位に終わり、2013年途中にはブラウンが薬物違反により出場停止処分を受けてチームも優勝争いに加わることができなかった。
2017年になるとドミンゴ・サンタナ、トラビス・ショー、エリク・テムズの30発トリオの活躍などで地区2位に入り、クレイグ・カウンセル監督就任4年目の2018年にはオフの積極補強が成功して7年ぶりの地区制覇。移籍1年目のクリスチャン・イエリチが首位打者に輝き、リーグトップに2差の36本塁打、リーグトップに1差の110打点と、三冠王に迫る活躍を見せてMVPを受賞した。
2019年も充実期は続き、リーグ2位の37セーブをマークしたクローザーのジョシュ・ヘイダーを中心にブルペン陣が安定。打線もイエリチの44本塁打を筆頭に、35本塁打のマイク・ムスタカス、28本塁打のヤスマニー・グランダル、25本塁打のテムズらが長打力を発揮。メジャー1年目の二塁手ケストン・ヒウラも打率.303、19本塁打をマークしてレギュラーに定着。ワイルドカードゲームでナショナルズに敗れるも、2年連続でプレーオフ進出を果たした。
2019年オフにムスタカス、グランダル、テムズが退団したものの、三塁手候補としてエリク・ソガード、正捕手候補としてオマー・ナルバエス、左翼手候補としてアビサイル・ガルシア、一塁手候補としてジャスティン・スモークを獲得。ベテランとなったブラウンは左翼手と一塁手を兼任する予定。ブランドン・ウッドラフ、エイドリアン・ハウザー、新加入のブレット・アンダーソンらの先発陣次第では、ア・リーグ時代以来の38年ぶりのリーグ制覇も視界に入ってくる。
スタジアム紹介
1970年から使用していたミルウォーキー・カウンティ・スタジアムの老朽化に伴い、2001年に開場した開閉式屋根付きの野球専用球場。建設中に巨大クレーンが倒壊した事故により当初の予定よりも完成が1年遅れた。左中間と右中間の膨らみが少ないのが特徴で、フランチャイズプレーヤーとして永久欠番にもなっているロビン・ヨーントがフィールドの設計を担当した。ブリュワーズの選手が本塁打を打つと外野スタンドの滑り台を降りてくるマスコット「バーニー・ブリュワー」と、着ぐるみによる「ソーセージレース」が球場名物。2008年にはテキサス州を直撃したハリケーンの影響で、アストロズvsカブスの2連戦が代替開催され、2017年にはフロリダ半島を直撃したハリケーンの影響で、マーリンズ3連戦をマーリンズ主催試合として行った。また、2002年にオールスター戦が開催され、オールスター戦史上2度目の引き分け試合となった。世界3大ビール産地ミルウォーキーとあって、地元のビール会社ミラーが2020年までの命名権を取得。2021年からウィスコンシン州に本社を置く大手保険会社アメリカン・ファミリー・インシュランスに命名権が移るため、現名称は2020年限りの予定。