チーム情報
プロフィール
モントリオール・エクスポズ(現ワシントン・ナショナルズ)に次いで、1977年にカナダ2番目の球団として誕生。2005年以降、米国以外に本拠地を置く唯一の球団となっている。
創設から5年連続で地区最下位という屈辱を味わったが、パット・ギリックGMが獲得したドミニカ共和国の若手選手たちが開花し、1982年に就任したボビー・コックス監督の手腕の下、1985年に初の地区優勝。現在の本拠地ロジャーズ・センター(当時スカイドーム)がオープンした1989年、1991年も地区優勝を果たして上位チームの常連となり、ロベルト・アロマー、ジョン・オルルド、ポール・モリターらの活躍で、1992年からワールドシリーズ連覇を成し遂げた。
だが、1994年以降は再び長期の低迷期に突入。地盤を作ったギリックGMもチームを去り、2003年に22勝を挙げたロイ・ハラデーやブルージェイズ在籍時代に8年連続30本塁打を放ったカルロス・デルガドら名選手を擁しながらも結果は出なかった。
転機となったのは2010年からチームを任されたアレックス・アンソポロスGMのチーム改造。2010年はホセ・バティスタが本塁打王を獲得し、チームの主力に成長。さらに積極的に大型補強を行い、2014年オフにはジョシュ・ドナルドソンを獲得。2015年はそのドナルドソンがMVPに輝く活躍でジョン・ギボンズ監督の下、22年ぶりに地区優勝を果たした。
2016年もワイルドカードでプレーオフ進出を果たしたが、2017年からは再び低迷。2016年オフには強力打線の一角エドウィン・エンカーナシオンを、2017年オフには同じくバティスタを放出。2015年途中にトレードで獲得した遊撃手トロイ・トロウィツキーも期待にこたえられず、全休に終わった2018年のシーズン後に放出された。
2019年はチャーリー・モントーヨ新監督の下、3割打者なしで終わったシーズンからの再建を図ったが、投手陣はマーカス・ストローマン、トレント・ソーントンらの6勝が最高。打線も31本塁打のランドル・グリチェクをはじめ、チーム本塁打247はリーグ5位だったが、チーム打率.236は両リーグワースト。95敗を喫して地区4位に終わった。
4年ぶりのプレーオフ進出を目指して、2019年オフには積極的に補強を敢行。サイ・ヤング賞候補にも挙がったドジャースからFAの左腕・柳賢振、巨人から山口俊、阪神からラファエル・ドリス、アスレチックスからFAのタナー・ロアーク、トレードでブリュワーズからチェース・アンダーソンらを獲得し、投手陣を整備した。クローザーには剛腕ケン・ジャイルズが控えるため、そこへどうつなぐかがポイントとなる。
打線はグリチェク、ルルデス・グリエル、テオスカー・ヘルナンデスの外野陣が長打力を持ち、2019年のMLB.com認定若手有望株ランキング1位のウラジーミル・ゲレロJr、ボ・ビシェット、キャバン・ビジオらの内野陣はいずれもメジャー2年目で、大化けの可能性を秘める。ジャスティン・スモークが抜けた一塁手候補としてブリュワーズからFAのトラビス・ショーを獲得した。
スタジアム紹介
世界初の開閉式ドーム球場として1989年に開場。当初の名称はスカイドームで、地元に本拠を置くカナダの大手通信会社ロジャーズ・コミュニケーションズが買収したことに伴い、2005年から現在の名称となった。球団創設以来、老朽化が進んでいたエキシビション・スタジアムを使用していたが、カナダ政府、オンタリオ州政府、企業などが費用を負担して建設が実現した。レトロ調のスタジアムが多い現在では珍しい左右対称のフィールドで、白の屋根、青で統一された客席が特徴的。試合前にはアメリカ国歌とともにカナダ国歌も斉唱される。野球以外にも多くのスポーツで使用されていて、観客動員のスタジアム記録は6万8237人(2002年のWWE)。センター後方にはホテルが併設されており、一部の部屋からは試合を観戦することができる。トロントのダウンタウンに位置し、ユニオン駅から徒歩圏内。すぐ近くにはオンタリオ湖、トロント名物CNタワーがある。天然芝化がファンの長年の夢。